最近でも、バーゲンだのセールだのでときどき「超ド級」というあおり文句を見かけます。
じつはこれ、もともとは海軍などで使われていた言葉です。
日露戦争などの戦訓から、イギリスは<ドレッドノート>という戦艦を建造しました。
それ以前の戦艦は、主砲以外に副砲などをバランス良く備え、多様な砲戦に対応できるよう設計されてきました。しかし<ドレッドノート>は「今後主流となるであろう長距離砲戦においては同一口径の主砲をより多く搭載し、それを同一の射撃データに基づいて用いるほうが有利であり、そのためには副砲を廃止してもかまわない」という思想のもとに開発されました。
これにより、<ドレッドノート>はそれまでの戦艦に倍以上の差を付ける戦闘力を手にしたのです。諸外国の海軍はあわてふためきました。なにしろ、<ドレッドノート>以前の思想で建造された戦艦はすべからく「時代遅れ」となったからです。
これ以後、各国は<ドレッドノート>およびそれと類似するクラスの戦艦を「弩級」(ド級)、それらをさらに超える戦艦を「超弩級」(超ド級)と呼ぶようになりました。
戦艦の時代は第二次大戦をもってほぼ終了しましたが、その後もこの言葉だけは残ったようです。