現在、一番旬なサーキットデザイナーといえば、「ヘルマン・ティルケ」。
F1カレンダーに載りたいなら、まず彼に頼めというくらいです。
ティルケは1954年ドイツ生まれ。
ツーリングカーのドライバーとして活躍した後、
1984年にティルケエンジニアリングを設立しています。
このドライバーとしての経験と技術スキルによって1990年代より、次々と設計契約を勝ち取るようになります。
2007年カレンダーには、彼のデザインしたコースが、
「バーレーン」「セパン」「イスタンブール」「上海」の4つ入っており、また「カタロニア」「富士」の改修にも携わっています。
以前インタビューで、サーキットの設計について考え方を語っています。
「優れたドライバーとそうでないドライバーの差がハッキリと出るのが良いサーキット」
「レースを面白くするためには、追い抜きを含めて”何か”が起きなくてはならない。」
「コースレイアウトを考えるとき、ドライバーがミスをしやすい部分を意図的に作ることを心がけている。」
「オーバーテイクを可能にするには長いストレートの後にハードブレーキングというのが定石だが、本当に大切なのはその長いストレートの前のコーナー。ここにミスを誘う”仕掛け”を作っておくと、前を走るドライバーがミスをすると後ろのドライバーがスリップストリームを使うチャンスが生まれる」
今後、モンツァサーキット、ニュルブルクリンク、そしてシルバーストンサーキットについても、改修を手がける予定となっています。
ただ、彼の作るサーキットは単調だという声も聞かれます。
今後はテクニカルエリアでもオーバーテイクができるようなコースを設計してくれることを期待し、より楽しいレースが見られるように応援したいものです。