「菊タブー」の菊は天皇・皇室の紋章が菊(菊花紋章)であることに由来している。
天皇や天皇制(皇室制度)に対して批判的な言論は、戦前、刑法(不敬罪)などによって法的に禁圧され、社会的にも強い排除圧力があった。
戦後は言論の自由が広く認められ、天皇や天皇制(皇室制度)に対して批判的な言論であっても、法的に禁圧されることはほぼなくなり、社会的にも批判に寛容になった。
しかし、一部の右翼団体やそれに属する人物などが、暴力的な手段を用いてこれを封殺しようとする事件をたびたび起こした。
このため、暴力の被害に遭うことやトラブルになることを恐れて、マスメディアなどが、天皇や天皇制に関する批判的言論を控える自主規制の事例もみられる。
これを指して、天皇や天皇制に対して批判的な言論は、マスメディアにおけるタブーの一つとされ、婉曲的に「菊タブー」と言われるようになった。
近代天皇制下において、天皇は「現人神」とされ、天皇に対するあらゆる批判的な、また茶化したりする言動は不敬罪が適用され逮捕された他、治安維持法などによって国体(天皇制)を否認する運動が取り締まりの対象となったため、天皇や皇室に対しては報道の自由も含めほぼ議論ができない状況にあった。
右翼団体は天皇を「神の一族の末裔」、自分達は彼らの擁護・防衛者であると信じ、戦後の民主化(被占領期及び、日本国憲法制定)について「欧米化」によって「日本の精神」が失われたと考える者が多く、民主化による大衆運動の広まりを共産主義へ通じるものと捉えていた。
安保の反対闘争の頃には政治家を対象とした暴力を試みる右翼も出現し、1960年(昭和35年)10月には社会党委員長だった浅沼稲次郎が右翼少年山口二矢によって刺殺されている(浅沼稲次郎暗殺事件)。
皇族のタブーを描いた映画「天皇伝説」
渡辺文樹監督作品
映画ポスターにはこうある
「国民はいつまで騙され続けるのかー 明治天皇は大室という男が入れ替わり、大正天皇には子種がなく昭和天皇には、西園等公望の養子の血が入り、そして平成天皇は裕仁の子ではなかった。さらに秋篠宮もやはり明仁(現天皇)の子ではなかった。皇室内の血みどろの戦いと海外皇室財産とイラク侵攻の背景を追求する。」
ちなみにこの映画を観に行くのは 命懸けだそうだ。