地デジ対応テレビには、著作権保護を名目とするB-CASカードなるものが搭載されている。
このカードを差し込まないと地デジは映らないのだが、実は、このカードは不透明さに包まれている。
民間1社が独占し、地デジを推進する総務省の天下り法人がシステムを支えているのだ。
地デジ完全移行で、問答無用でこのカードを押し付けられるわけだが、
その背後には巨額の利権がつきまとっているのだ!
B-CASカードを発行、管理しているのが「ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ」社だ。
民間だが筆頭株主はNHKで社長も2代続けてNHK。
問題なのは、この会社の独占性だ。すべての地デジ対応テレビに必要な公益性の高いカードであるのに、
発行しているのは一民間会社という奇妙さ。
同社の財務内容は去夏まで公告されず、会社法違反との指摘もあった。
公共放送NHKから役員が天下りしている点も不可解だ。
さらにカードの発行や運営には総務省系の公益法人が二人三脚で絡む。
B-CASカードは、地デジ対応機が売れるたび、一枚500円のカード代が放送局からB-CAS社に流れる。
家電メーカーからも一枚100円の手数料が入る。
この代金が機器の価格に上乗せされていることは言うまでもない。
同社のカードの延べ発行枚数は4400万枚。2007年度の売上高は98億円だ。
この集金構造に絡むのが、地デジ化に伴う天下り公益法人群だ。
まず、地デジ放送局からのカード代をまとめてB-CAS社に支払うのが、財団法人「デジタル放送推進協会(Dpa)」。
常務理事は総務省OBで、家電メーカーが役員を送り込んでいる。
カード発行条件となる録画抑制の規格は放送局や電機メーカーでつくる社団法人「電波産業会(ARIB)」が定める。
この常任理事も元官僚達だ。
つまり、巨額の集金構造がB-CAS社と公益法人の間で築かれているのだ。
総務省の諮問機関は、カードと並行して別の著作権保護策を検討中だ。
しかし別の法人を充てても、今のシステムなら、また天下り法人ができるだけ。
そもそも無料放送の地デジを受信制限すること自体がおかしい。
B-CAS無しに受信できるようにすれば、従来機器と互換性も問題ない。
結局、地デジを利用してB-CASカードの普及を狙ったのか、カードがあったから
地デジでつかったのか。
完全地デジ化を前に不可解な仕組みが出来上がっている。
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