「桜タブー」の桜は警察紋章(正確には「旭日章」)に由来している。
権力機関である警察は市民生活にも密着し、またその保持する情報の質、量は他機関の比ではない。
いくつかの隠蔽し切れなくなった警察不祥事を含め、現在でも様々な“裏”がある可能性は、内部告発などに見るように否定しきれない。
これらを「桜タブー」という
しかし、マスコミがこれを大々的に批判・追及すると、事件取材の際に取材拒否・記者クラブからの締め出しを受ける事などの不利益があることから各社共にこうした問題には及び腰となっている。
したがって、この種の取材は差し止めの影響を受けないフリーランスジャーナリストの独擅場となる。
この桜タブーを破った事例として、最近では『北海道新聞』(道新)が2004年1月より行った北海道警裏金事件追及が挙げられる。
2年間で1400件の記事が掲載された一連のキャンペーンで北海道警察(道警)は組織的な裏金作りを認め使途不明金約9億6千万円の返還に追い込まれた。
また道新は日本ジャーナリスト会議大賞・日本新聞協会賞・菊池寛賞・新聞労連ジャーナリスト大賞等、各賞を受賞した。
しかし、一連のキャンペーンは道警の報復を呼び取材活動で多くの支障が生じた。
2006年1月の「道警の泳がせ捜査の失敗で道内に覚醒剤が流入」とした記事は道警への直接取材ができない中、伝聞に基づくものであったため、2005年3月に「不適切な記事」として「おわび」の記事掲載を余儀なくされた。
また、テレビ朝日の『ザ・スクープ』は桶川ストーカー殺人事件の検証報道において埼玉県警察の怠慢捜査が殺人に至った最大の原因であると暴き、徹底追及した結果、ついに警察に非を認めさせることに成功。道新のケース同様数々の賞を受賞したが、この事が原因でテレビ朝日は同様の報道が妨害されるようになった(現在も同様の報道はしているが、反響が大きいと及び腰になるといわれる)。
更にメインキャスターの鳥越俊太郎が『サンデー毎日』の記者時代にイエスの方舟事件で主宰の千石イエスを匿っていたという過去からか警察庁が総務省を介して番組打ち切りの圧力をかけるようになり、ついには製作元がこれに抗する事が出来ず、ローカル枠格下げを経て放送打ち切りに追いやられたとされている。ただし現在は不定期スペシャルとして継続している。
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