ブライアン・デ・パルマ作品の中でもかなりの秀作。
アル・パチーノの味が最大限に生かされていると思う。
元麻薬王のカリートが5年ぶりに刑務所から出所するが
裏社会にもあった仁義やルールも5年の歳月とともに失われていた。
カリートは待っていてくれた恋人と南の国で堅気の生活を
送ろうと決意する。
しかし、彼にはどうしても最後にやらなければならない
“仕事”があった。
ヒットはしなかったものの、本作のファンはかなり多い。
それはこの作品が単なるマフィア映画ではなく
老いていく自分と、変わっていく社会への切なさと
愛する者を守り抜く男の生き様を描き
そしてそれをアル・パチーノが名演技で見せてくれたからだ。
また、名演技といえば、ラストクレジットでその名を
見るまで気づかせなかったショーン・ペンもすごい。
あの二枚目役者が禿頭(本当に抜いたほどの入れ込みようだ)で
キレた弁護士を演じている。
彼の演技があってこそ、カリートが生きてくる
と言っても過言ではない。
ラストのグランド・セントラル駅でのシーンは
私の中では忘れられない名シーンのひとつである。
カリートの道(CARLITO'S WAY)
1993年 アメリカ 145分
監督:ブライアン・デ・パルマ
アル・パチーノ ショーン・ペン ペネロープ・アン・ミラー
ジョン・レグイザモ ヴィゴ・モーテンセン
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