ある朝、自宅の工房で金細工師のアルベルトの遺体が電気イスによる処刑のような状態で発見された。
状況から自殺と思われたが、腑に落ちないモンタルバーノは捜査を続け、故人の自筆の遺言状を発見する。
内容は莫大な遺産が故人の弟ジャコモに渡るというものであり、調査の結果、遺言状は偽造と判明する。
30年以上、兄とほとんど交流がなかったというジャコモが容疑者として拘束されるが、モンタルバーノは納得いかなかった。
モンタルバーノ〜シチリアの人情刑事〜 DVD何故なら、アルベルトの家には拳銃があったというのに、何故かアルベルトは電気イスなどという、ひどく大掛かりな仕掛けで死んでいたのだ。
さらに現場に残された偽造の遺言状の内容は、すでに彼らの父親に定められていたものと同じであり、改めて偽の遺言状を作る必要など、ジャコモにはなかった。
けれどジャコモは「兄を殺していない」とはいったものの、まるで贖罪をするように強く無罪を訴えようとはしなかった。
モンタルバーノは捜査を進めるうちに、
ブル 法廷を操る男 DVD兄弟の確執を知ることになる。
一方ミミは、クッキアーラという高利貸しが殺された事件を調べていたが、故人が恨まれていたためか、ロクに目撃者もあらわれず、金を借りていた顧客も協力的ではなかった。
モンタルバーノが兄弟の財産管理を担当する弁護士に話を聞くと、ジャコモは幼い頃、財産を継ぐ権利をはく奪されており、それ故に父親の財産は兄のアルベルト一人のものとなり、彼が死ななければ、ジャコモに渡らないこととなっていた。
モンタルバーノ DVDそれというのも階段の事故で半身不随となったアルベルトが、ジャコモに押されたと言い張ったからだった。そして父親はそれを信じ、ジャコモの相続権をはく奪した。
しかしジャコモ自身は、「兄が足を滑らせて落ちた」と云っていたそうだ。
二人の兄弟は当時、エンマという一人の美しい女性を奪い合っており、弟が押したにせよ、兄が嘘をついたにせよ、その理由はそのことにあるに違いなかった。
兄弟の過去を知り、モンタルバーノは今回の「自殺」がただの殺人ではなく、アルベルトによるジャコモを嵌めるための「自殺」ではないかと気づく。その証拠に、電気椅子の力を増幅するために使われたエクセロンという物質は、アルベルト自身が取り寄せていたのだ。
シチリアの人情刑事 DVDアルベルトは少し前にジャコモとの関係を修復したように装い、その上でわざと偽だとわかる遺書を残し、自殺をはかった。そのことで、ジャコモを殺人犯として、逮捕させるつもりだったのだ。
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