「毎日3回歯磨きしているのに、口が臭いと言われる」と、口臭で悩んでいる人は多くいます。まして気になる異性からこんなことを言われたりしたら、ショックで立ち直れませんよね。
これは、ちゃんと歯を磨いたつもりでも、口臭の原因となる歯周病菌が口の中に残っているためです
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。たとえ毎日3回しっかり歯を磨いたとしても、口が臭う人はいます。なぜなら口臭の原因となる菌は、歯だけではなく歯茎や舌にも生息しているからです。意外な盲点があるのですね。
そこで、誰にでもカンタンにできる口臭予防法を教えましょう。この方法をマスターすれば、口臭はもちろん、虫歯や歯周病の予防にもなります。しかも1日3回も行う必要はありません。1日1回でも大丈夫です。もちろん毎食後行うほうが理想的ではありますが、虫歯菌や歯周病菌の付着・活性には24時間かかるため、1日に1回でも丁寧に行えば問題はありません。
歯周病菌は「酸素」が嫌い
歯周病菌は歯と歯肉の間に潜り、骨を溶かして歯を揺らす、酸素が嫌いな嫌気性菌です
歯科用インプラント装置
。歯科衛生士などの歯磨き指導では「歯をよく磨いて」とか「歯間ブラシを使って」といった指導がよくされますが、私が提唱しているのは、歯肉マッサージをしっかり行う「サイトウ式歯磨き法」です。
この歯磨き法は、歯茎の表面をよくマッサージして血管を刺激することで、酸素を運ぶ血液中の赤血球を活性化させ、大量の酸素を歯肉へ送り込むことが特徴です。歯ブラシを使っても、指で行っても、どちらでも構いません。
また、歯や歯茎だけでなく、舌も磨くようにしましょう
歯科用インプラント装置
。舌にも意外とばい菌がついているものなのです。
サイトウ式歯磨きは、マッサージを同時に行うことで歯茎の血行を良くします。通常の歯磨きよりも格段に、虫歯や歯周病、口臭などへの予防効果が高まります。有酸素運動と同じで血の巡りが良くなり、スッキリと気持ちが良くなるので習慣として続けたくなるはずです。
最初は多少出血するかもしれませんが、気にする必要はありません。毎日続けるうちにだんだんと歯茎が引き締まって、出血しないようになります。
細かい手順を説明しますので、ぜひ一度試してみてください。
<1 歯ブラシで丁寧に歯を磨く>
ブラシの毛先を細かく前後左右に動かす(イラスト:庄司猛)
歯と歯の間や、歯と歯肉の境目、奥歯まで丁寧に磨きます。強い力でこすらないように気をつけ、ブラシの毛先を細かく前後左右に動かします。歯ブラシだけで十分ですが、磨き足りないときはフロスを使ってください。フロスがなければ輪ゴムで代用してもかまいません。ちなみに歯ブラシや歯磨き粉は、どこのメーカーのものを使っても大差はありません。それぞれ効果が謳われていますが、実は市販されているものにはそれほど効果の差はないのです。道具の選択よりも、優しく丁寧に磨くことのほうが重要です。
<2 舌を磨く>
歯を磨いたら、次に舌も磨きます。見落とされがちなのですが、舌にも食べかすはついているのです。歯ブラシで舌を傷つけないように、優しく食べかすをこすり落とします。舌の表面には舌苔という、ばい菌が作った苔状の汚れの塊ができます。これが口臭の原因となるので、こまめに取り除くようにしてください。溝状舌など、汚れが溜まりやすい人は特に念入りに行ってください。
<3 歯茎をマッサージする>
円を描くようなイメージで、丁寧に、圧力をかけすぎないように歯茎をマッサージする(イラスト:庄司猛)
最後に歯茎をマッサージします。上下の齦頬移行部(歯の外側の歯茎から頬の内側に移行する溝の部分)から歯と歯茎の境目まで全体的にマッサージしていきます。円を描くようなイメージで、丁寧に、圧力をかけすぎないように行ってください。マッサージするのは歯ブラシでも指でもかまいませんが、高齢の方の場合は皮膚が柔らかい指で行うのをすすめています。
<4 裏側の歯茎もマッサージする>
ひと通り行った後は、裏側の歯茎も同様にマッサージするとさらに効果的です。患者さんのなかには「お風呂に入りながら、指でマッサージすると気持ちが良いですよ」と言う人もいます。歯磨きのとき以外でも良いので毎日歯茎マッサージを行って、習慣にするように心がけてください。
この方法を実践した患者さんはみな「口臭がなくなりました」「気持ちがいいし、調子がよくなった」と喜んでいます。しっかり歯茎をマッサージすることで、口臭の原因でもある歯周病菌が取り除かれ、きれいな息を取り戻せるのです。
歯科の技量は「ピンキリ」
歯は食生活に直結した大切な器官です。一度抜いてしまうと永久歯は二度と生えてきません。しかし歯磨き法ひとつを取ってみても、意外と正しい知識を持った人が少ないのが現状です。
また、最近は歯科が増えすぎて、日本全国の歯科の数はコンビニの数と同じくらいになってしまいました。実は歯科の技量はピンキリです。正しくない治療をされることもありうるのです。正しい知識を持って良い歯科を選ぶことは大切です。
そんな思いを込めて、私は『やってはいけない歯の治療 全国から患者が押し寄せる?歯の駆け込み寺″からの警告』(KADOKAWA)という本を書きました。この本には、患者さんのためになる知識だけがわかりやすく書かれています。裏を返せば、営利主義の歯科医が読んだら困るようなこともいっぱい書いてあります。よろしければ、ぜひ手に取って読んでみてください。
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