歯科用CAD/CAMを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴が保険適用
平成26年度診療報酬改定により4月から今まで自費(つまり全額負担)だった第一小臼歯・第二小臼歯の、CAD/CAMを用いたハイブリットレジン冠が保険適用になりました。つまり多くの方が3割負担もしくは1割負担で、簡単に言えば『良い素材』で治療を受ける事が出来るようになったのです
スリーウェイシリンジ用 ノズル 。『CAD/CAMを用いたハイブリットレジン冠』というのが重要ですので皆さんご注意下さい。
ハイブリットレジンというのは何か
ではそもそも『ハイブリットレジン』という素材は何なのか。ハイブリットセラミックスとも呼ばれており『セラミック(陶材)とレジン(プラスチック)とが混ざった材料』です
歯科レンチ式 。セラミックは固くて、その強度が若干周囲の歯を傷める可能性があり、レジンは変色しやすく強度が弱い。その2つが合わせて周囲の歯を傷つけない適度な硬さであり、レジンの弾性とが合わさって粘り強い素材になった、それがハイブリットレジン(セラミック)です。
これだけ聞くと完璧な素材かと思うかもしれませんが、セラミックより変色しやすいですし、強度が劣る為に強い咬合圧に耐えられず破損し易いなどの欠点があります。ですが多数の歯科メーカーが研究を重ねているので昔より変色しにくくなっていたり進化しているようです。
ハイブリットレジン全てが保険適用ではない
上記にも書きましたが『第一小臼歯・第二小臼歯のCAD/CAMを用いたハイブリットレジン冠』が保険適用になっただけですので他のハイブリットレジンを使用した治療は自費治療になります
アマルガムミキサー。CAD/CAMを用いたハイブリットレジン冠というのはハイブリットレジンのブロックを削りだした物です。一つの塊から削りだしているので、築盛して作り上げたタイプのものよりは強度があります。
中・大規模歯科技工所が優位?個人歯科技工所が悲鳴を上げる?
この歯科用CAD/CAM装置は一台約500万ほどですので、個人で開業されている歯科技工所では導入するのは結構勇気が必要です。削りだすバーなどの消耗品の事を考えるとコストがかなりかかってきます。躊躇している間に顧客を中・大規模歯科技工所が確保してしまうかもしれません。歯科用CAD/CAM装置を設置している中・大規模歯科技工所と連携して対応していくのか、今後どうなっていくのか注目ですね。
算定要件
1)別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、歯冠補綴物の設計・製作に要するコンピュータ支援設計・製造ユニット(歯科用CAD/CAM装置)を用いて、小臼歯に対して歯冠補綴物(全部被覆冠に限る)を設計・製作し、装着した場合に限り算定する。
2)CAD/CAM冠とは、CAD/CAM冠用材料との互換性が制限されない歯科用CAD/CAM装置を用いて間接法により製作された歯冠補綴物をいう。
3)特定保険医療材料料は別に算定する。
その他、当該技術に係る歯冠形成、印象採得、装着等についても評価を行う。
施設基準
1)歯科補綴治療に係る専門の知識及び3年以上の経験を有する歯科医師が1名以上配置されていること。
2)保険医療機関内に歯科技工士が配置されていること。なお、歯科技工士を配置していない場合にあっては、歯科技工所との連携が図られていること。
3)保険医療機関内に歯科用CAD/CAM装置が設置されていること。なお、保険医療機関内に設置されていない場合にあっては、当該装置を設置している歯科技工所と連携が図られていること。
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