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ポケットビリヤード道場

手玉の動き(基礎編)(5)

たいし
2010年7月14日

閲覧数:41254回

今回は手玉を撞いたときの動きを検証してみることにします。まずは真ん中、上、下のそれぞれの撞点で手玉にどのような回転が与えられるかを解説します。



前進回転のことをフォロー、逆回転のことをドローと呼びます。無回転はそのまま無回転と表記しました。

よく言われることに手玉の中央を撞くとストップになり、上を撞くと押し球(フォローショット)、下を撞くと引き球(ドローショット)になるというものがあります。間違いではありませんが厳密に言えば違います。

手玉と先球が真っ直ぐな配置では、ドロー回転区間で先球にヒットすれば引き球、無回転区間で先球にヒットすればストップ、フォロー回転区間で当たれば押し球になる。

というのが正確な定義です。すなわち下撞点を使った場合はドロー、ストップ、フォローのすべての回転が距離によって変化することになります。したがって下を撞いて引くことも、ストップさせることも、前進させることも可能です。

ストップショットの練習を思い出してください。撞点は中央より若干下になっていましたね?これは真ん中では無回転区間が短いため先球に当たるまでに推奨ショットスピードではフォロー回転に変わってしまうことから下の方を基準撞点としている訳です。

これは手玉と先球が真っ直ぐな配置での現象ですが、多くの場合は手玉と先球には角度が存在します。そのような場合にはどのような動きになるでしょう?

無回転の場合はボールの動き(基礎編)で解説したとおり手玉と先球の分離角が直角になります。実はフォローやドローでもこの原則は生きています。

手玉の動きは大きく分けて2つの力によって動きます。ひとつはキューによって撞かれた前に進もうとする動きです。仮にこれを推進力と呼びます。もうひとつは手玉に与えられた回転による動きです。これを仮に回転力と呼びます。

推進力と回転力の力のバランスによって手玉の動きは変化することになります。回転力が同じだと仮定して推進力が大きい場合(簡単に言えば強く撞いた場合)直角のラインを長く走った後に回転力が勝りフォローやドローの動きが加わります。(図で言えば外側の太めの緑ラインです)
逆に推進力が小さければ(弱く撞けば)直角のラインをわずかしか移動せずに回転力が勝りフォローやドローの動きが加わります。(図で言えば内側の細めの緑ラインです)

すなわち全ての球は一度直角方向に動いた後にそれぞれの回転方向に従って向きを変えるということになります。

したがって真っ直ぐ押したり、真っ直ぐ引いたりする場合には手玉と先球が直線上になければいけないということになります。これを勘違いすると下を撞けば戻ってくると言う物理法則を無視した考えに陥ってしまうので注意が必要です。

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コメント(5)
ゴリツァ(`O´)o
2010年7月14日
だんだん難しくなってきますねー

手玉がポケットに入ってしまいそうな配置のときはフォロー・ドローともに
使いますが 基本的には中央を撞いていました

そろそろ本格的に覚える時ですかね〜

たいし
2010年7月14日
そうですね。ちょっと難しい内容になってしまったかもしれません。でも、実はまだまだ動きに関しては入口なんです…
もちろん知らなくてもビリヤードは出来ます。それに仮に知っていても知識だけの頭でっかちでは実際のプレーに反映しません。なにを置いても練習することが最も大事だと思います。その練習をする上で少しでも理屈が分かっていれば効果的かな?と言った程度です。また、これから段々複雑な話しをしないといけないので、そのネタのための
前フリだったりもするんですが…

中央の撞点を使うのはとても良いことだと思います。基準となる動きを理解出来なければフォローやドローを使いこなすことは困難ですからね。でも、残念ながら中央撞点だけでプレーするには限界があります。理想ではありますが現実的ではないということですね。

ドローやフォローの撞き方は今後ネタでご紹介する予定ですので参考にしてみてくださいね。

ゴリツァ(`O´)o
2010年7月15日
分かります 理屈を理解しないではやれないスポーツだと思います
少なくても「手玉を的玉のどこに当てればどこに転がるか」は知らなくては
できません まあ僕はこれをちょこっと理解している程度ですが
これすら知らずに ただ球を転がして 運でポケットしても面白くないですから
やはりもっと理屈を知れば もっと面白くなるのかな なんて思います

僕はサッカーをするんですが サッカーも戦術やセオリーをきちんと
理解していないとできません どれだけ身体能力が優れていてもやはり
知識は必要です

ちなみにヨーロッパではビリヤードをするサッカー選手は多いようですよ
球の配置から 一瞬のひらめきを養うんだそうです
そんなことで 僕もビリヤードを始めたところもあります

すみれ
2010年7月15日
とてもお勉強になります!手玉がどこへ転がるのかまでは
ほとんど考えられなかったのでありがたいです!参考にさせてもらいます☆
これを身に付けるまでの道のりはまだまだ遠いですが地道にがんばります!

たいし
2010年7月15日
>ゴリツァさん
ビリヤードは道具を使うスポーツですから本来道具の使い方などを良く理解して練習してからプレーをするともっともっと楽しめると思います。
適当に力任せ運任せでプレーをしてもすぐに飽きてしまうので、狙った通りにポケット出来る、狙った場所に手玉を止められると言ったゲーム性が理解出来るようになるとぐっと難しさも楽しさも増えると思うんですけどね。その一助になればと思ってネタを提供しているつもりです。

スポーツ選手でレクリエーションにビリヤードを取り入れているケースは多いようですね。確か日韓W杯のときの日本の合宿所にもテーブルが用意されていて、代表選手が息抜きにプレーしたなんて話を聞いたことがあります。

ヨーロッパでは日本で主流のポケットビリヤード(USプール)よりもスリークッションなどキャロム系のビリヤードをプレーすることが多いのでひょっとするとクッションからの動きなどがフリーキックなどのイメージに重なるのかもしれませんね。

>すみれさん
手玉と先球はセットですので練習するときも単に先球を入れるだけでなく、どのように動いてどこに手玉が止まったかを常に意識するだけでも手玉の動きの理解に繋がると思います。
フォローショット、ドローショットの撞き方や練習方法はまた別のネタで取り扱いますね。


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