刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィ。
しかし徹底的に管理された精神病院の管理体制に反発を感じる。
絶対権力を誇る婦長ラチェッドに反抗するマクマーフィの行動によって、
入院患者に笑顔が戻っていくが……。
60年代の精神病院を舞台に、人間の自由と尊厳・社会の不条理をテーマに見るものの心に迫る。
前回の「俺たちに明日はない」に続き、
この作品もいわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作。
映画化権を最初に取得したのはカーク・ダグラスで、
十数年後、息子マイケル・ダグラスが譲り受け、製作した。
とても衝撃的な作品です。完全な管理体制の中、それに反発する一人の人間。
その一人を絶対管理体制に従うよう、病院側はあることを施す。
管理体制・集団生活において、目立つ行動をする人間を「異常」とするのか。
実際にこの主人公は「異常者」だったのか、
それとも本当に「フリ」をしていただけなのか。
社会はこの「異常者」を排除するか、管理体制に従わせるのか。
そこに自由があるのか、抜け出すことはできないのか。
近年、日本の犯罪においても、精神鑑定を用いられるケースが増えてきているが
そういう意味でもとても考えさせられる。
主人公マクマーフィが病院を抜け出そうとする直前の顔が、とても印象的です。
カッコーの巣の上で(ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST)
1975年 アメリカ 129分
監督:ミロス・フォアマン
原作:ケン・キージー
ジャック・ニコルソン ルイーズ・フレッチャー マイケル・ベリーマン
クリストファー・ロイド ダニー・デヴィート ネイサン・ジョージ
第48回アカデミー賞
作品賞
主演男優賞 ジャック・ニコルソン
主演女優賞 ルイーズ・フレッチャー
監督賞 ミロス・フォアマン
脚色賞
5部門受賞