08年5月4日〈中日3−2阪神〉ナゴヤドーム
中村紀が久保田から同点打、李炳圭は藤川からサヨナラ弾!
阪神の「勝利の方程式」を打ち砕き大逆転勝ちだ!
「どんな打撃をしたのか、自分でも記憶にない。
フォークだったことは確かだけど。最後にいい当たりが出てよかった!」
李がはしゃぐ。ナインが待ち受ける。決勝のホームへ小躍りしながら
戻ってきたヒーローは、歓喜の輪の中で押し倒されてもみくちゃだ。
「だれ?背中をバシバシたたいたの。本当に痛いよ」仰天のひと振りが、一塁ベンチを興奮状態に陥れた。
延長10回2死。マウンドにそびえ立つのは虎の守護神・藤川。
李にとっては来日初、藤川にとってもプロ初となる驚愕サヨナラ弾が、
阪神ファンの陣取るレフトスタンドに飛び込んだ。
「それまでチャンスで打てなかったから、とにかく最後くらいは次の打者に
つなげようと。それがホームランになるなんて」最近は不振で、打率は落ちる一方。前日からは、ついに打順が6番に後退。
焦りが徐々に募る。試合前は石嶺打撃コーチらと必死のフォーム改良に
明け暮れた。この日も4打席目まではノーヒット2三振。
「これで打てなかったら、また2軍落ちかって覚悟した。
いいきっかけにしたい」と笑う。
韓国のスターとして来日した昨季は、春先の不振で2軍落ちを経験。
この屈辱は相当の痛手となっていたようだ。
妥協を許さない落合監督の指導が、1年たって結実している。
〈2008年5月5日中日スポーツ参照〉
コメントはまだありません。