08年5月1日ナゴヤドーム 中日2-1横浜
川上憲伸が待望の今季初勝利だ!7イニングを2安打無失点。
エースの完全復活で、竜の好調投手陣はさらに強力になる。ようやく手にしたウイニングボール。
このボールのために、川上は全精力を注ぎ込んでいた。
それを待っている人がいるからだ。
「何とかせないかん、と。その子のために何とか勝ち取りたい、
という気持ちだった」
今年最初のウイニングボールを届ける。
そう約束していたのは白血病と闘う渡辺隼大(はやた)君(12)だった。
急性骨髄性白血病の隼大君と川上は昨年春のキャンプで知り合い、
お互いに訪問し合うなど交流を続けてきた。
戦線離脱していたとき、川上の背中を一番強く押したのは隼大君との約束だった。
「休んでいる期間もすごくこれが気にかかって、
何とかしてあげないといけないという思いがあった」
2試合のリリーフ登板が糧にした。
「前回は中継ぎで投げさせていただいて、いろいろな思いとか、
中継ぎの姿だったりとか、感じてマウンドに立つことができました」。 成長を続けるエースが、感謝の思いも込めて投げた。
やっと勝った。隼大君にも、ようやく胸を張って会える。
〈2008年5月2日中日スポーツ参照〉