亀(とくにニホンイシガメ)がよくかかる皮膚の病気「水カビ病」について、
症状・原因・治療方法をご紹介します。
■症状・・・おもに、以下の症状が見られます。
・甲羅や体の一部が、部分的に白い
・皮膚にモヤモヤの白いものがついている
・白っぽい皮膚がはがれている
※甲羅が白いときは、水カビ以外の病気(シェルロットやアエロモナス感染症など)の可能性も。
■原因・・・飼育環境の悪化・亀の体力低下。
水中にいる真菌(カビ)が原因。
水質が悪い・水温が低い・日光浴不足・ジメジメしているなどの飼育環境の悪化で、亀の抵抗力が弱まると発症します。
■特徴・・・15℃前後で発症・イシガメに多い。
真菌が活発になる水温は、15℃前後。春先など季節の変わり目に多く発症し、逆に28℃以上(もしくは冬眠中)は発症しないのが特徴。二ホンイシガメは皮膚が弱く、発症しやすいです。
■治療・・・イソジン消毒・水温25℃以上で飼育。
完治しにくいため、根気よく治療を続けることが大切です。改善しないときは、動物病院で診察を受けましょう。
1、ついたカビを取りのぞく
体についた白いモヤモヤ部分のみ、ピンセットなどで取り除きます。皮膚がふやけて白くなっている部分は、無理に剥がしたり触らないよう注意。
2、イソジンで消毒・薬浴
治るまで毎日、「
水で5〜10倍に薄めたイソジンを患部に塗って消毒」もしくは「
30分ほど液につける薬浴」をします。刺激が強いため、亀の目や体内に液が入らないよう注意。
3、強制バスキングをする
イソジン消毒後は、1時間ほど強制バスキング。水の入っていない水槽や容器に亀を入れ、しっかり紫外線に当てて体を乾燥。亀が熱中症にならないよう注意しながら行います。
4、水温は25℃以上で飼育
水カビ病は、28℃以上もしくは10℃以下の低温だと発生しません。カビの増殖を防ぎつつ亀が活発になる適温は、水温25℃以上。
水中ヒーターで水温25℃以上を保ちます。
5、飼育環境を改善する
水中のカビを取りのぞくため、使っていたフィルターは全て交換。清潔な飼育環境を保つため、水換えと日光浴は毎日行い、風通し良い環境を確保します。治るまで、できるだけ水換えがおすすめです。
■薬剤・・・
カビに効果のある「抗真菌剤」を使う。
カビ(真菌)が原因のため、イソジン・メチレンブルー・抗真菌薬の治療がおすすめです。
○イソジン(うがい液)
軽度のときは、イソジン薬浴で治った例も多いです。もっとも手軽にできる方法です。
○メチレンブルー
金魚の水カビ病治療薬。亀の口や鼻に入らないよう、30分ほど薬浴させて乾燥させます。→
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○クロマイ-N軟膏
抗真菌剤が入った軟膏。体に塗って30分ほど乾かし、水で洗い流してから亀を水槽へ戻します。→
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○テラマイシン軟膏
亀の皮膚炎(細菌と水カビ)どちらにも効果的とされる軟膏。
水カビと同時に、他の細菌にもやられているときはこちらが効果的。体に塗って30分ほど乾かし、水で洗い流してから亀を水槽へ戻します →
【Amazon】テラマイシン軟膏
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(2022年3月3日 改訂)
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