ミシシッピニオイガメは、成長しても約10cmほどの小型のカメ。寒さに強く丈夫で飼育しやすく、現在は初心者向けのカメさんとして人気が上がっています。ミシシッピニオイガメの飼い方についてです。
カメ図鑑 ミシシッピ二オイガメ
学名 Sternotherus odoratus / 英名 Common musk turtle/Stinkpot
生息地 アメリカ合衆国東部、カナダ南部
大きさ 8〜10cm前後(最大甲長13.5cm)
食性 おもに肉食が強い雑食性
●ミシシッピニオイガメの魅力は?
1、成長しても10cm前後!
ミシシッピニオイガメ(通称ミシニ)は、亀の中でも小型。成長しても甲長10cm前後です。
子ガメから飼い始めて成体になった場合でも、終生60cm水槽で飼育することが可能。
そのため、アパートやマンション等でもあまり場所をとらずに飼育することができます。
2、日光浴が必須でない!
ミシニは、他の亀ほどには日光浴を必要とせず、寒さに強く丈夫なのが最大の特徴!
ミシニも、ゼニガメやミドリガメなどと同じミズガメ(水棲ガメ)の仲間ですが、成体に
なると他の亀たちのようには紫外線を必要とせず、頻繁な日光浴も必要ありません。
3、冬眠可能で丈夫な種!
北米の亀のため、寒さに強く丈夫な種類です。初心者でも飼育がしやすいとされます。
野生のミシニは毎年冬眠して冬越しするため、元々、寒さに強く冬眠可能な種類です。
成長したら冬は冬眠をさせることが出来るため、それほどケアや手間がかかりません。
4、温和で慣れやすい亀!
ミズガメの中でも水棲傾向が強い種類は、おおかた神経質で凶暴な種類が多いです。
ところが、ミシニは亀の中でも性格がよく、比較的温和で人にも慣れやすいのが特徴。
攻撃性も少なく、飼い主に攻撃的だったり噛まれたりするようなこともほぼありません。
のんびりやなので、同じ水槽内で魚や貝といった他の生物たちとの混泳も出来ます!
以上が、ミシシッピニオイガメが初心者向けで飼いやすいとされているおもな理由です。
●ミシシッピ二オイガメの生態
おもに、水底が泥や砂になっている流れの緩やかな川・湖・湿地などに生息しています。
野生の個体は、ほぼ完全な水棲。産卵以外は滅多に水から出ることはないとされます。
ほとんどありませんが、日光浴も浅瀬や水面のみ。陸には滅多に上がらないようです。
雑食性で、餌はおもに水中にいる生物。(魚、昆虫、甲殻類、貝類、果物、水草、藻など。)
生活パターンは夜行性で、夕暮れや夜明けの薄暗い時間帯を中心に活動するようです。
昼間の明るい時間帯には活動せず、水中の砂利や泥に潜って眠っていることが多いです。
危険を感じると、後足の臭腺から臭いのある分泌液を出すことがあり、「ニオイガメ」という
名前がついたようで名前の由来になっています。そうなると、一体どの位のニオイなのか、
臭いのか、と心配になりますが、飼育下のミシニは滅多に臭いを出すことはないそうです。
●ミシシッピ二オイガメの飼育
レイアウトは、スッポンなどの完全水棲の亀に近い感じになります。水場がほとんどです。
水替え・餌やり・温度管理などの基本的なお世話は通常のミズガメとほぼ変わりませんが、
生後1〜2年が過ぎて成長が落ち着いたら、日光浴は徐々に減らしても問題ありません。
◆飼育に必要なもの
60cm水槽・・・基本サイズは60cm水槽。子ガメの頃は、45cm水槽やプラケースなども使用可能。
小さめの陸場・・・小さめの陸場を用意。浮島など。(時々する日光浴用や体を休めるためのもの。)
シェルター・・・割れた植木鉢や、水棲生物用の市販のシェルターなど。隠れられる大きさのもの。
水中ヒーター・・・亀用で、水中を自動で25℃前後に保つ。特に子ガメは適温を保つために必要。
以下は、必要に応じて追加。
砂利など床材・・・飼育環境に応じて必要であれば入れる。亀が穴を掘って潜り、身を隠したりする。
紫外線ライト・・・室内飼育の場合のみ、水槽全体の照明で紫外線ライト(度数5.0)を照射しておく。
バスキングライト・・・陸場を温めるライト。陸の一部のみに照射し、30℃前後のホットスポットを作る。
サーモスタット・・・紫外線ライトを時間で点灯・消灯させたり、バスキングライトの温度調整に使う。
水中フィルター・・・水の汚れを取り除くろ過装置。頻繁に水替えが出来ない場合、必要に応じて。
◆水槽とレイアウト
ほぼ水棲のため、水場を広めにして多くとる。陸場は小さめに。(体全体が乗る程度で)
60cm水槽で飼育できます。(子ガメは、プラケースや45cm水槽、飼育キットも使えます。)
水棲傾向が強くほとんど水中で過ごすため、陸場は少なめのレイアウトするのがポイント。
市販の「カメの浮島」のような、吸盤で取り付けるタイプの小さめの陸場があれば大丈夫。
(体調の悪い亀、浅めの水深で飼育されていた亀は、陸場を広めにとるようにします。)
水深は、甲羅の高さ2〜3倍ほど。60cm以下の浅瀬を好むため、深くし過ぎないよう注意。
◆日光浴のさせ方
飼育下のミシニは、陸場に上がって日光浴をすることが多いので紫外線ライトが必要です。
紫外線の要求量はかなり少ない種類ですが、幼体のときに紫外線不足になると「クル病」
になってしまいます。甲羅の成長が止まるまでの間(おおよそ生後1〜2年くらいの期間)は、
ミドリガメやクサガメなどの通常のミズガメたちと同じように、日々の日光浴を必要とします。
室内飼育では、紫外線ライトを水槽全体に照射。陸場にバスキングライトを点灯させます。
成体になったら、紫外線は少なめに。日光浴は、日陰に飼育容器を置いておくのみでOK。
◆水温と水質管理
水温の適温:23〜27℃前後 / 水質:フィルターや水替えで清潔に。
陸に上がって体を温めることが少ないので、特に子ガメは水温は温かめに設定しておきます。
他の種類の亀たちと同じく、水中ヒーターで水温は25℃前後にしておくと活発に動き周ります。
ミシニの子ガメは、水質が悪くなると皮膚病にかかりやすいです。甲羅にもよく藻が生えます。
頻繁に水替えや掃除をするか、亀用の水中フィルターで常に水質を保っておくことが大切です。
日光浴をほとんどしない水中生活をする種類のため、成体でも水質管理はとても重要です。
◆冬眠のさせ方など
野生下のミシニは、北部の亀たちは冬眠し、南部の亀たちは冬眠せず、年中活動します。
ミシニは、比較的寒さに強く丈夫な亀なので成体になると低温に強くなります。野外飼育や
冬眠も可能です。(ベビーや幼体は、寒さに弱いので冬眠できません。保温飼育します。)
冬眠のさせ方は、一般のミズガメと同じ。水深を深くし、水中で冬越しさせる方法をとります。
◆他の生物との混泳
亀と一緒に、いろんな生き物たちが同じ水槽で一緒に泳いでいる姿はとても魅力的です。
ビバリウムガイド NO.58 (2012年 08月号)によると、ミシニは泳ぎもそれほど早くなく、温和
で攻撃性もないため、他の生き物たちとの混泳には向いている亀だそうです。魚の場合は
よっぽど鈍いものでない限りは食べられることは少ないようですが、やはり、入れた生き物
たち(特に、エビや貝類など)は、ミシニのご飯になっていくので要注意ということです。(笑)
特に、熱帯魚の水槽のお掃除用に入れてある貝が好物だそうです。貝が増えぎた場合は
ミシニが食べてくれるようです。(熱帯魚を飼っている方は、混泳もオススメの方法です!)
※ミシシッピニオイガメの飼育は、
ビバリウムガイド NO.58 (2012年 08月号)にミシニの特集ページがあり、参考になります。
(基本的な飼い方、水質管理、混泳、餌など 詳しく書いてあるのでおすすめの一冊です。)
ミシシッピニオイガメはとても魅力的!是非、素敵なカメライフを〜。まゆみんでした。
解説者 まにあ道イメージガール まゆみん
マニアーナ!公式ブログ :http://ameblo.jp/maniana-mayumin/
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