「高画素になればなるほど綺麗に写るはず」
「500万画素より1000万画素、1500万画素・・」
この考えは半分当たっており、半分間違っています。
なぜ半分なのか?不思議に思われると思いますので、説明をしたいと思います。現在は各メーカーも画素をCMのキャッチコピーにしているところは少なくなってきています。それは一昔前に行われた『画素戦争』は終わったとも言えます。
■写真サイズにはどれくらいの画素数が必要?
綺麗な写真を印刷するには、いったいどれくらいの画素が必要なのでしょう?例えば写真屋さんで現像する「L判の大きさ」であれば、なんと300万画素もあれば、十分綺麗に印刷されるのです。A4サイズに引き伸ばしても600万画素もあれば十分。A3まで伸ばしても1000万画素で十分なのです。つまり、L判印刷では、300万画素と1000万画素では大きな違いは出ません。もっとも、300万画素の時代と、今の機種では画素以外の部分の進化が大きく一概には比較できませんが・・。
■CCDの大きさに注目
では、なぜ表題の「コンパクトデジカメは」と限定しているのでしょうか?
コンパクトタイプは、一眼タイプと異なり、CCDセンサー(光りを取り込むセンサー)が小さいのです。つまり、取り込む光りが少ないのに、多くの画素に割り振らなければならず、結果高画素の方が暗くなってしまう現象があります。また、レンズの口径が総じて細く、十分な光量をとりこめないのも理由の一つです。
実際キャノンのパワーショットシリーズでも、一つ前の機種が1500万画素、現行モデルでは1000万画素とダウンスペックしています。これは、高い画素よりもあえて低くし画質を優先させた現象です。
■高画素のメリットとデメリット
では高画素のメリットとデメリットをまとめで書いておきましょう。
◇メリット
・大型のCCDであれば、色の諧調が豊かになる
・トリミング(加工)をしても加工後にも十分なサイズが残る
・A3以上のプリントでも十分な画質を維持できる
◇デメリット
・小型のCCDであると、十分な光りが行き渡らず画質が低下する
・高感度のノイズが増大する
・ファイルサイズが増大する(大容量メモリカードが必要になる)
・PC処理能力のハードルが高くなる。
■コンパクトカメラはバランスが重要
私感ですが、通常のコンパクトカメラであれば、800〜1000万画素辺りがバランスのとれた画素のように思えます。実際に1500万画素のコンパクトタイプを使用していましたが、ちょっとバランスが悪かったように思えます。
写真上 かなり多機能のコンパクトデジカメ(レンズ径大型)
写真中 CCDセンサー
写真下 普通のコンパクトデジカメ(レンズ径小型)