歯周病は、歯の周りにいる細菌が原因で歯ぐきが炎症を起こし、進行すると歯を支えている骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。かつては歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていた病気です。自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行するケースが多いのですが、歯ぐきから出血したり、歯がグラついたりする場合は、歯周病の可能性が高いといえます。<o:p></o:p>
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厚生労働省の調査によると、10代でも55パーセント、30代では81パーセント、50代になると88%の人が歯周病にかかっています。まさに国民病ともいえる病気ですが、歯周病の怖さは、歯を失ってしまうだけではありません。
実は、歯周病は糖尿病や心臓病をまねく危険因子の一つであることが、最近の研究でわかっています。歯周病を放置すると、歯周病の原因となる細菌(歯周病菌)が血流に入り込むことで、血糖値を下げるインスリンの働きが低下し、糖尿病を引き起こしたり、悪化させたりします。
また、歯周病菌が血流に入り込むと、血栓が作り出され、動脈硬化などの原因になるのです。そのため、心臓病が死因の主要因のひとつであるアメリカでは、歯周病の予防に力を入れています。<o:p></o:p>
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なぜ、これほど多くの人が歯周病になってしまうのでしょうか。
歯の周りには、歯垢(プラーク)と呼ばれる微生物のかたまりが付着しています。その微生物の数は、1mgあたりに約1億個。この歯垢の中に歯周病の原因となる細菌(歯周病菌)が潜んでいるのです。
歯周病菌は、すべての人の口の中に存在するものではありません。多くの場合は、日常生活のなかでいつのまにか感染し、口の中に住み着いてしまっているのです。歯垢の中にこの歯周病菌が存在すると、歯周病を発症する可能性が格段に高くなります。
また、歯垢にカルシウムが沈着して石のように硬くなった“歯石”も歯周病の原因のひとつといわれています。 さて、従来の歯周病の治療といえば、歯磨き指導、歯石の除去、歯の周りの掃除などが基本でした。しかし、これらの治療では完全には歯ぐきの炎症がとれず、歯ぐきから血が出たり・膿が出たり・口臭が気になるなどの症状が改善できない人も多かったのが実状です。「いっしょうけんめい歯磨きしているのに、歯周病が進んでしまう」といった切実な声を聞くことも少なくありませんでした。なぜなら、従来の歯周病治療では、歯周病菌を完全に退治することが難しかったからです。<o:p></o:p>