日本の民宿に相当する宿泊施設として、
イギリスにはB&Bと呼ばれるものがあります。
これは「Bed and Breakfast」を略した言葉で、
寝床と朝食を提供する場所という意味合いを持っています。
B&Bはそれ専用の建物を建てているわけではなく、
一般の住宅を改装して使っているケースがほとんどです。
もっともホテルでも小規模なものは新築ではなく、
フラット(アパートのようなもの)を改装したものも多く、
逆にホテルを廃業してフラットにしているケースも見られます。
B&Bに話を戻します。
もちろん宿泊の事前予約は可能です。
イギリス各地にある観光案内所でもB&Bの予約を取ってもらえます。
しかし予約客の他だけでなく、たまたま通りかかった旅行者も
積極的に受け入れているのが特徴です。
このため、入口にはたいてい次の表示が出ています。
Vacancies(ベイカンシーズ:空室あり)
No Vacancies(ノー・ベイカンシーズ:満室)
B&Bは名前の通り、食事は朝食のみの提供です。(例外もあり)
このため、夕食は外に出る必要があります。
たいていの場合、そのB&Bと親しい食堂を案内されるので、
そこまで自分で行くことになります。
もうひとつB&Bには特徴的な表示があります。
多くのB&Bでは「en-suite」と表示をしています。
「アン・スイート」と読む、フランス語由来のこの言葉は、
部屋の中にトイレとシャワールーム(バスタブの場合もあり)が
あることを意味しています。
つまり、他の客と共用しなくて済むわけです。
B&Bはスコットランドも含め全国津々浦々にあり、
交通が不便な場所にも存在することもめずらしくありません。
イギリス国内ではB&Bのガイドブックも出ていますので、
ドライブ中心の旅行をする場合には、特に役に立ちます。