ロンドン第3の空港であるスタンステッド空港(Stansted Airport)は、
ライアンエアを中心に、格安航空会社が多く発着する空港です。
タイムズ紙やガーディアン紙、BBC WORLDなどによると、
現地時間2008年12月8日の午前3時15分頃(日本時間同正午頃)、
スタンステッド空港の第2滑走路建設反対派が
大挙して空港の敷地に不法侵入して示威行為をするという事件が起きました。
今回侵入したのは、環境保護団体でした。
それも地球温暖化の原因となる航空機利用を抑制するために、
第2滑走路の建設に反対しているのです。
Plane Stupid(プレーン・ストゥーピッド:馬鹿な飛行機)と名乗る
このグループは、54人の規模でフェンスを器具で切断して破壊し、
空港敷地の立入制限区域に入りました。
その後、滑走路脇に座り込むなどの行動に出たのです。
スタンステッド空港当局は滑走路の一時閉鎖を決定し、
エセックス警察が最終的に57人を逮捕し、
午前8時15分に滑走路の運用を再開しました。
その結果、航空機の極限までの効率的運用を図るために
早朝から多数の便を運航するライアンエア(Ryanair)は、
56便も欠航するという事態に陥りました。
このために大きな被害を受けたライアンエアは公式サイトにおいて、
例によって過激なニュースリリースを発表しています。
その内容は、まず3つの質問から始まっています。
1 なぜ反対派は早朝3時にセキュリティを突破できたのか?
2 なぜ空港当局は反対派を誘導路から排除するのに5時間もかかったのか?
3 なぜ数千人の搭乗客がスタンステッド空港における運営の不手際により
空港内で旅行を中断させられたのか?
その後、イギリスにおける空港運営がBAA(英国空港会社)の
寡占状態になっていることを、いつものように批判し糾弾しています。
最近、一部の環境保護団体が過激な行動に出ており、
国際的に問題になりつつありますが、
一般の人を敵に回すような行動をとるのは、
決して支持されるものではありません。
実際、この日も欠航便に搭乗予定だった人の中には、
航空会社の担当者に詰め寄る一幕もあり、
警察がチェックインカウンター周辺でライアンエアの職員を
守るために警備するというありさまだったそうです。
もし、反対派がその場に居合わせたら、
一触即発の事態になっていたかもしれません。