わずか4歳の少女、ヴィクトワール・ティヴィソルが
ヴェネチア映画祭で女優賞を獲得した涙無くしては見られない作品。
事故で死んだ母親を、いつか帰ってくると信じて待つ少女。
4歳の少女に「死」という意味がわからない。
どんなに祈っても、母親は帰って来ない。
少女は毎日毎日、母親が帰ってくるのを祈っていた。
すると、ある日奇跡が起こる。
母親とは、こんなにも子供から愛されているものなんだ。
4歳の少女が本当に健気に、祈る。
あらゆる祈りをして、母親に会おうと一生懸命になる。
その健気さに涙が止らなかった。
反面、子供に交って会話をする時は妙に大人びている。
とても不思議な少女である。
そして、そのギャップに4歳ながら「女優」を感じる。
フランス映画なので、暗く、地味で淡々とした映画ではあるが、
絶望的なラストではない。
少女に起こる「奇跡」もそれをファンタジーだと思うのか
あるいは少女がひとつ成長するためのステップとみるのかは
人それぞれだと思うが、私は後者のように思えてならなかった。
わずか4歳にして、無邪気な表情と大人びた表情を見せる
この少女の演技は必見である。
ヴィクトワール・ティヴィソルは2000年の「ショコラ」
以降出演作がないのが、残念。
ポネット(PONETTE)
1996年 フランス 99分
監督:ジャック・ドワイヨン
ヴィクトワール・ティヴィソル マリー・トランティニャン
グザヴィエ・ボーヴォワ