もはや周知の事実であるが、
シリーズ史上初となる完全試合が目前だった山井投手の交代について、
各方面で物議をかもしている。
しかし、時が経つにつれ、よりくわしい事実が判明してきた。
落合監督「ユニホームに血が付いていたら、いけとは言えない」
山井投手の右太ももに一筋の血痕が付いたのは五回。
右手にできたマメがつぶれたことが原因だった。スライダーが抜群の切れを
見せていた分、指先への負担は大きかった。
その後も好投を続け、八回も三者凡退に抑えた。
ベンチに戻った山井投手は森バッテリーチーフコーチ、谷繁捕手と
言葉を交わした。「代わります」。
山井投手はここで降板を申し出た。落合監督に伝えられたのは、この直後。
「(マメは)知らなかった。
(八回に)初めて山井がピッチングコーチに言ったわけだから。
俺だって(完全試合を)見たかったよ。
でも本人がだめですと言えば、そうせざるをえない。
岩瀬という絶対的なストッパーがいるから、山井も『お願いします』ってことに
はなったと思う。騒ぎ立てることじゃない」。
無理に続投させて故障でもしたら、山井投手の野球人生を壊しかねない。
落合監督なりの山井投手の将来をも見据えた判断だったのだ。
それが真相のすべてである。