イチローですら、その存在感に圧倒された。
9年連続出場となった球宴の感想を問われたイチローは、開口一番、
「オバマ大統領がすごかった。プレーより、やっぱりどうしても、
そっちの方が大きくなっちゃうね」と感激の初対面を振り返った。
サプライズは試合開始約1時間前に訪れた。
始球式を控えた大統領が両軍のクラブハウスを表敬訪問。
目の前で直接ボールにサインしてもらい、珍しく恐縮するイチローの姿が
全米に中継された。
試合前日は「ワッツアップ(元気?)ぐらいは言いたい」と軽口をたたいていたが、
「とてもそんな雰囲気じゃなくて、『ナイストゥーミーチュー、サー』まで言っちゃいましたよ。
サーなんて使ったの生涯で初めて。ちょっと圧倒されましたね」と苦笑い。
「本当かウソか知らないですけど、ビッグファンだって言われて感動しました」と少年のように目を輝かせた。
球宴常連となったイチローが「今回は特別なオールスター」と繰り返す。
前日の朝、セントルイス郊外にあるジョージ・シスラーの墓前を訪れた。
2004年に262安打を放ったイチローが破るまで、80年以上も
シーズン最多安打記録を守り続けたシスラーの墓碑には「1973年3月没」の文字。
その年の10月に生まれたイチローは、「何か特別な思いがした」と改めて感慨を覚えたという。
「やっぱり大統領と、シスラーさんですね。この二つは生涯残る…」。
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