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ヴァージン、MVR-02を発表(0)

cubic-m
2011年2月11日

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ヴァージン、MVR-02を発表

 マルシャ・ヴァージン・レーシングが2011年を闘うマシン「MVR-02」を発表した。

 
2010年度はヴァージン・グループの資本の元、イギリス資本で出発したこのチーム。
 2010年11月にロシアの自動車会社マルシャに株式の一部を売却することを発表している。
 意地悪な見方をすれば、ヴァージン・レーシングとはあくまでヴァージン・グループの広告塔であり、テレビの露出が少なくなったらさっさと売却という筋書きだったのかもしれない。

 個人的にはそういったヴァージンの考え方というのが好きでないし、ヴァージンの総帥R.ブランソンも、ただの目立ちたがり屋だとボクは思っている。そういった彼らの行動にモータースポーツへの愛が感られず、それが嫌悪感を引き越す原因となっている。

 かくしてチームは「マルシャ・ヴァージン・レーシング」とチーム名を変更。国籍もロシアに変更している。これからロシア資本がヴァージンに傾注するか、ロシア出身のドライバーV.ペトロフに傾注するか見ものである。

 
さて、昨年のマシンVR-01は数値流体力学(CFD)で製作されたマシンといわれている。いわゆるコンピューター内部で設計され、内部の計算で空力を測定された結果できたマシンというわけだ。早い話が風洞設備を使わないわけで、車や飛行機などの空力と切り離せない稼働物に対し、風洞を使わないのは大変な事件だった。

 というのは、CFD内部で起こる「風」というのは、所詮人間がプログラミングし、コンピューターがそれを受けて発するものである。
 つまり入力値以上のものが出力されるわけもなく、いくら膨大なデータを入力しても、入力しない限りはそれ以上データとして表れない。そのためCFD内部でいくら演算をかけても、実際の空力とはかけ離れる可能性が大きいからだ。

 なぜ風洞を使うかと言うと、人間やコンピューターの予測ができない風の動きを見ることができるからであって、いくらCFDが進歩しようと、風洞によるエアロダイナミクスの開発はなくならない。CFDで設計し(もしくは人間が製図板で設計し)、そのスケールモデルを風洞で試すというデジタルとアナログの共存が当分なくなることはないだろう。

 オール・デジタルの開発には限界があったのか、彼らはシーズン中にTMGの風洞をレンタルしてマシン開発にあてている。本当にオール・デジタルを目指すのなら開発もするべき、というのは厳しすぎる意見か?

 ただ、ヴァージンのCFDしか使わないという手法をバッサリと切り捨てるつもりはない(偉そうな言い方だが)。CFDでマシンを設計→サーキットでテスト→その経験値をCFDにフィードバック、という手法なら年を負うごとに良い線はいくんじゃないかと思う。

 ただ、これはCFDだけでできましたというより「風洞の代わりに実戦走行でマシンを造りました」という表現が正しいだろう。
 彼らのこういったアプローチは、参戦資金の少ない新興チームにとって解決策の一つとなるかもしれない。

 
さて、昨年のVR-01だが、なにしろ相対的なマシンがないため成功か失敗かは判断ができない。ただ、走行中のパーツの脱落が多々あり、マシンそのもののの強度不足は感じた(タンク容量の設計ミスというのもあったな・・・)。
 また、直線は速かったが、コーナリング中のダウンフォース不足は深刻で、曲がりながらどこに飛んでいくか分からないマシンだった(この直線で速いという結果は、オール・デジタルのポジティブな結果だと思う)。
 信頼も低く、オール・デジタル・マシンにネガティブな印象を産んだことは確かだ。そんなマシンでもドライバーのT.グロックは、随所で光る走りをみせていたと思う。もっと評価をしてほしい。

 
ではMVR-02はどんなマシンなのか?

 ぱっと見た印象はVR-01の正常進化型ということ。
 上方排気をなくしたためサイドビューはすっきりとして見える。VR-01は角角した愛想のないマシンだったが、MVR-02は少し色気が見えてきた。

 NON KERSのためお腹周りを気にしない設計。特にサイドプロテクターがリアエンドに向かって傾斜しているのが特徴的だ。ブロウン・ディフューザーもようやく搭載。排気管の設定が面白く、リアエンド後方部中央まで伸ばし、ディフューザー内部に吹き込む手法をとっている。

 フロントノーズはVR-01より低くなっている。ハイノーズ主流で異色の存在だ。
 フロント見るとノーズが幅広となり、現代風に変化した。直線的だったフロント・ウィングも大変化。曲面を多用したモデルに変わっている。低く四角いサイドポンツーン開口部も上部にもちあげられ、その分アンダーカット分が大きくとられた。

 でもサイドプロテクター周りは角ばっており、どうにも詰めが甘い。
 上部をみるとフロント・サスペンションの形状がどうにも洗練されていない。またサイドポンツーンからリアエンドにかけての気流の流れも、他チームと比べてイマイチな印象はある。なーんか四角いんだよね。ワンポイントでもいいから曲面を使えなかったのだろうか?
 そしてデザインにもう少し個性が欲しいと感じた。

 
確かに見た目にはVR-01の弱点克服マシンといえるだろうけど、マシンの強度は?信頼性は?となると未知数なのでは?そして開幕からNON KERSというのは絶望的なスピード不足なのではなかろうか?
 ぱっと見が地味な印象のマシンなだけに、どうにもネガな部分が目立つ。

 
チーム・ロータスがルノー・エンジンを搭載し力をつけた今、ここのライバルはHRTだろう。二年連続最下位は何としてでも避けたいところだ。


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