週末になると観光や買い物でごった返す日本では、
ホテルや旅館で通常よりも割り増しの
「週末料金」が設定されるのは一般的ですよね。
週末に安くなる宿泊施設は、一部のビジネスホテルくらいです。
ところがヨーロッパでは高級ホテルは週末に安くなるのです。
通常の半額というケースも多く、7割から8割引になるケースさえあります。
なぜかというと、この手の高級ホテルは観光客よりも
会社から出張旅費が出るエリートビジネスパーソンの利用が多いからです。
彼らは仕事が忙しいので、すこしでもくつろげる場所、ということで
高級なホテルに泊まることが一般的なのです。
その結果、週末はビジネスパーソンの利用が減るため、
値段を下げて宿泊客の獲得を図っているのです。
この傾向は飛行機や鉄道のユーロスターにも見られます。
土曜日の夜〜日曜日の朝をはさむことを前提に
往復切符を買うと、片道よりも安くなるケースも少なくありません。
これを「サンデールール」と呼んでいます。
つまり、ヨーロッパではビジネスパーソンの動きが
全体の交通・宿泊関係の需給に大きく影響しているわけで、
安いビジネスホテルに泊まる日本の企業戦士とは
動きが異なるわけなのです。
もっともビジネスホテルというカテゴリーは日本独特のものですが、
トルコ人の大学教授(観光学博士)に泊まってもらったところ、
居心地がよく、部屋の狭さも気にならなかったとのこと。
機能性に優れる日本のビジネスホテルは、他国に見られない形態なので、
この先国際的にどう評価されるか、注目されそうです。