今回は観光学的な研究のお話です。
日本では規制緩和で新規航空会社の参入が認められ、
スカイマークエアラインズと北海道国際航空(エアドゥ)が
低運賃で最初に参入しましたが、すぐに大手の対抗値下げに遭い、
業績をすぐに悪化させてしまいました。
その理由は何にあったのでしょうか?
ヨーロッパの格安航空会社は安さに理由があります。
★多少不便な空港に発着する
例えばロンドンならちょっと遠いスタンステッド空港、
バルセロナの場合はかなり遠いジローナ(ヘロナ)空港、
パリの場合は結構遠いボーベ空港、
そしてフランクフルトの場合はすごく遠いハーン空港といった具合です。
これらの空港は空軍基地だったものを民間空港に衣替えするなど、
以前からあった滑走路を有効活用する形で利用している場合が多いのです。
このため、空港建設にかかる費用があまりかからず、
その分航空会社が払う空港利用料も安くなるわけです。
★徹底したサービスの削減
以前のネタにも書きましたが、機内食に飲み物はすべて有料。
さらに乗り継ぎのサービスもないため、
途中の空港で乗り継ぐ場合は乗り継ぎ先が同じ航空会社であっても
荷物を一度受け取り、あらためてチェックインする際に預けなおしになります。
前述のスカイマークとエアドゥは、利用料が高いうえに混雑する
羽田空港からの発着をしたために大手との差別化ができなかった、と
考えることもできます。
その解決方法は、というと首都圏に新たな空港が必要になるのですが、
航空自衛隊百里飛行場を民間共用化して開港予定の
茨城空港を利用してコストを下げるという考え方もできそうです。