現在噴火中のアイスランドの火山の名前は、
といいます。
このスペルを見て、「エイヤフィヤラヨークル」と発音するのでは?
と疑問に思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
実はアイスランド語の発音はかなり特殊なのです。
その一例を挙げてみましょう。
Lが2つ並んだ場合、「トル」と発音します。
例えば世界遺産にもなっている
シングヴェトリル国立公園(写真)のスペルは
となるのです。
この単語の最初の文字は、アイスランド独特の文字で、
一般のローマ字に置き換えるとTHの2文字になります。
また、アイスランドを代表する空港は
と発音するのが正しいです。
ケフラヴィークではありません。
アイスランドの地名を日本語で表記するために、
1980年にその基準とされる辞典が発行されました。
その名は「アイスランド地名小辞典」といいます。
地理学者である浅井辰郎氏(当時お茶の水女子大学教授)と
語学研究者である森田貞雄氏(当時早稲田大学教授)が、
地図の出版社である帝国書院を通じて
自費出版したものです。
日本語版ウィキペディアではこの辞典が帝国書院発行としていますが、
これは誤りで、帝国書院は印刷や製本をしただけに過ぎません。
発行者は「浅井辰郎」個人名義となっていますので、
その点をお間違えのないようお願いします。
現在、アイスランドの地名については、
この辞典の読み方に従うのが、正確なものとされています。
但し、極端なカタカナの使い方をしているものは、
若干修正されて使われています。
例えばケプラヴィークは、この辞典では「キェプラヴィーク」となっていたり、
Skogafoss(スコーガフォス)が辞典では「スコゥガフォス」となっていたりします。
今回、噴火した火山(氷河)の地名「エイヤフィヤトラヨークトル」も、
Seaviewはこの辞典の読み方に従いました。
日本語版ウィキペディアでは「エイヤフィヤットラヨークトル」と
いう表記をしていましたが、既に「アイスランド地名小辞典」の
表記に合わせる形に訂正されました。