マイケルの棺はステージの前で真っ赤な花に覆われていた
「キング・オブ・ポップス」の追悼式は米西部時間2009年7月7日午前(日本時間8日未明)
ロサンゼルス中心部の複合施設「ステープルズセンター」で始まった 見守るファンは約2万人
客席の最前列には黒服と黄色いネクタイでそろえたジャクソン・ファミリーが陣取り
ステージはマライア・キャリーの「アイル・ビー・ゼア」で始まった
マイケルとともに「ウイ・アー・ザ・ワールド」を作ったライオネル・リッチはしめやかに
「ジーザス・イズ・ラブ」のゴスペルを歌い モータウンのベリー・ゴティはジャクソン5の歴史を語った
野球チーム「ジャクソンズ」でキャッチャーを務めた小さなマイケルがミスばかり
していたという話が印象的で
「ごく普通の子供ではあったがステージでは最初から特別だった」と語った
圧巻だったのはスティービー・ワンダーだった
ピアノで弾き語った「ネバー・ドリームド・ユード・リーブ・イン・サマー」は
即興のマイケル葬送曲といった趣で 会場は静まりかえり 最後に「マイケル・ゴーン」と
絶唱が響き渡ると場内から悲鳴のような泣き声が鳴り響いた
NBAからはコービー・ブライアントがマイケルのチャリティーと慈善事業について語り
親交のあったマジック・ジョンソンが2人でバケツいっぱいのケンタッキー・フライド・チキンを食べた思い出を語った
親友だった女優のブルック・シールズは
「彼はキングと呼ばれたけど、私にとってはリトル・プリンス(小さな王子さま)だった」と涙ながらに語り彼女が「マイケルが一番好きだった曲」と紹介したチャプリンの
映画「モダンタイムズ」の中の「スマイル」をジャクソン5の兄ジャーメイン・ジャクソンが静かに歌った
大団円はバックコラーラスの面々が中心となり ライオネル・リッチーやジャクソン・ファミリーら全員が
ステージに上がっての「ウイ・アー・ザ・ワールド」
そして兄弟たちがマイケルについて語り マイクは泣きじゃくる まな娘のパリスさん(11)に渡された
「生まれたときから、ダディは、最高の父親でした」パリスさんのあいさつを最後にジャクソン・ファミリーの手で棺は会場を後にした
この日 ありとあらゆる賛辞に包まれたマイケルだが 最後は一人の父親として送られたことになる
ステージにはスポットライトを浴びた1本のスタンドマイクだけが残された