まにあ道モバイル

風雲!ニッポン歴史道場

その魂は故郷に帰る…。遣唐使「井真成」(1)

うるとらわん
2007年10月17日

閲覧数:10641回

2004年10月、中国の西安市内から日本人遣唐留学生の墓誌が発見された。

彼は「井真成」といい、年齢は19歳。
717年の第9回遣唐使で来唐したものと思われる。
この遣唐使団は557名という過去最大規模で4隻の船に分乗した。
後に玄宗皇帝の知遇を得た阿倍仲麻呂や
帰国後に活躍した吉備真備らも同期である。

井真成は阿倍仲麻呂らのように成功したわけではなく、
無名であり36歳という若さで急死した。
しかし、発見された彼の墓誌の内容が多くの人々の胸を打った。

  「真成は日本人で、才能は生まれながらに優れていた。
  それで命を受けて遠国へ派遣され、中国に馬を走らせ訪れた。
  中国の礼儀教養を身につけ、中国の風俗に同化した。
  彼は役人になり、正装して朝廷に立ったなら、
  並ぶものはなかったに違いない。
  よく勉強し、まだそれを成し遂げないのに、
  誰が予想しただろう、思いがけず突然死ぬとは。
  734年正月に彼は官舎で亡くなった。享年36歳。
  皇帝(玄宗)はこれを傷み、栄誉を称え、詔勅によって官職を贈り、
  葬儀は官で執り行わせた。その年2月に万年県の河の東の原に葬った。
  ああ、夜明けに柩をのせた素木の車を引いてゆき、
  葬列は赤いのぼりを立てて哀悼の意を表した。
  真成は、遠い国にいることを嘆きながら、夕暮れに倒れ、
  荒れはてた郊外に赴いて、墓で悲しんでいる。
  その言葉にいうには、
  死ぬことは天の常道だが、哀しいのは遠方であることだ。
  身体はもう異国に埋められたが、魂は故郷に帰ることを願っている。」

そしてついに彼の墓誌と魂は2005年日本に「帰国」したのである。

前のネタ 次のネタ

このネタにコメントを書く!
ログイン

この道場にネタを書く!
投稿


コメント(1)
エイリアンぐれい
2007年10月28日
ちょっと感動した。


ネタリンク
シュール君@シュール君(0)
アニメ・漫画

海宝(0)
エンターテイメント

あいちトリエンナーレ 平田オリザ+石黒浩研究室 ロボット演劇「森の奥」最終リハー...(1)
ノンセクション


カテゴリ
スポーツ ミュージック
レジャー・アウトドア ホビー・ゲーム
エンターテイメント アニメ・漫画
グルメ ライフ
ファッション コンピュータ
学問・研究 ノンセクション


ネタを検索する

[*]▼ まにあ道TOP [#]▲

ログイン
まにあ道に新規登録(無料)
まにあ道とは
よくある質問
利用規約
プライバシーポリシー
お問い合わせ

maniado all rights reserved. 携帯アクセス解析