フランスはグルメの国として世界中にその名をとどろかせています。
しかし、この国はそれだけではありません。
食料自給率が極めて高く、フランスは世界有数の農業国でもあり、
さらに水産関連や畜産も極めて盛んです。
このため、食料の国内流通に関しては地域色が強くなっています。
さらに原産地統制呼称(AOC)の制度が確立していて、
消費者に対して安心できる食品の流通に努めています。
このAOCの制度は、日本ではワインの品質の目安としての
知名度が高いのですが、実はチーズや牛肉などにも
この制度は適用されており、品質へのこだわりを感じさせます。
また、乳製品を含む畜産関連の品質表示は、
EUで共通化されており、生肉から惣菜、牛乳や乳製品に至るまで、
表示が義務付けられています。(写真左・中:いずれもイギリス)
ここには国の略号まで出ているので、生産国も分かります。
この制度は飛行機の機内食も例外ではなく、
BA(ブリティッシュエアウェイズ)のエコノミークラスの食事が、
コスト削減のためかドイツ製の既製品を使っていたことも判明しました。(写真右)
話を戻して、フランスでは流通の面でも特徴があります。
地方都市を中心に公設市場の建物が存在しており、
そこでは早朝から午前中にかけて、新鮮な食材が売られているのです。
テナントとして入っているお店はすべて専門店で、
魚屋や肉屋、八百屋などが所狭しと並んでいて、
店員と話しながら品定めをして買い物ができるのです。
また、パリなどでは広場などの屋外にテントを張って、
露天スタイルの朝市も開かれていますが、
建物の中にある市場同様に品質の高い食材を売っています。
こちらについては
過去ネタを参照してください。
フランスにもスーパーマーケットは存在しますが、
まだまだ市場の力が強く、高品質の食材を供給しています。
日本ではそういった場所が減りつつありますが、
青森市の駅前にある再開発ビル「アウガ」では、
以前からあった生鮮市場が地下に移転して引き続き商売をしており、
フランス同様の高品質な食材を供給しています。