中日新聞が共同通信社配信記事で伝えたところによりますと、
イギリスの雑貨チェーン店であるウールワース(Woolworths)が
経営破たんに追い込まれたとのことです。
(注意:オーストラリアでスーパーや酒店などを展開するウールワースとは無関係)
このニュース、一般的な日本人にはあまりピンときませんが、
イギリスでは不況が深刻化していることを示す出来事として、
大きなインパクトを持っています。
というのも、ウールワースはイギリス全土の多くの商店街に
店を構えていて、イギリス国民にとって身近な店だったからです。
もちろんSeaviewも買い物をしたことがあり、
映画のDVDが安く売られていたり、子供のおもちゃなどもたくさん売っていて、
なかなか面白い品ぞろえの店という印象を持っていました。
イギリスの高級紙ガーディアンの電子版によりますと、
ウールワースはイギリス国内に815店舗も持っており、
3万人の雇用に影響が予想されているとのことです。
ウールワースの公式サイトによれば会社の歴史は古く、
もともとはアメリカのニューヨークで1875年に創業、
1909年にイギリスに現地法人を設立して進出したものです。
このため、イギリス国内では来年に設立100周年を控えており、
記念すべき節目を前に経営破たんしてしまったのです。
皮肉なことに発祥の地であるアメリカのウールワースも、
今から11年前の1997年に経営破たんをしてしまい、
廃業に追い込まれています。
その理由として、安売り競争に勝てなかったことが要因であると、
当時の新聞報道を引用する形でウールワースの公式サイトは説明しています。
安売り競争はイギリスでも熾烈で、既にウィルキンソン(Wilkinson)という
強力なライバルが出現していたこともあって、
ウールワースが劣勢に立たされていました。
そんな中で金融危機が生み出した急激な景気後退が、
ウールワースに致命傷を与えてしまったようです。
イギリス経済は想像以上に深刻な局面を迎えています。
1ポンドが150円を切るような為替状況は、
現在のイギリス経済の疲弊ぶりを見事に反映しているように思えます。