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Tube(チューブ)の愛称で知られるロンドンの地下鉄は、
正確にはUnderground(アンダーグラウンド)といいます。
ところが昨年、Overground(オーバーグラウンド)という名前の鉄道が出現し、
きっぷやオイスターカードは地下鉄と共通乗車ができるようになりました。
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オーバーグラウンドの正体は、英国鉄道ネットワークの一部です。
通常の鉄道路線のうち、ロンドンの外周を走るエリアのフランチャイズを
2007年にロンドン交通局(Transport for London)が獲得し、
路線が主に地上を走ることから、この名前が付けられました。
正確にはこのフランチャイズは香港地鉄公司(MTR)が獲得したものですが、
運営は全面的にロンドン交通局が行っています。
車両は英国国鉄時代のものをそのまま使っています。
現在のところ外観の塗装も前のフランチャイズである
Silverlink(シルバーリンク)のものをそのまま使い、
ステッカーでオーバーグラウンドの表記をしています。
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現在、ロンドン交通局はオーバーグラウンドの改良に力を注いでいます。
新車の導入も進めていて、老朽化した車両と取り替えます。
この新車は地下鉄と似たイメージの塗装となっています。
(写真は2012年8月に撮影した導入後の車両)
また地下鉄路線だったイーストロンドン線は、現在全面運休しています。
現在改良工事と路線の延伸工事を進めていて、
完成すれば他の路線と直通運転を開始する予定です。
イーストロンドン線は地下鉄環状線やディストリスト線などと同様に
車両サイズが英国鉄道のものとほぼ同じであったため、
この改良工事によってアンダーグラウンドからオーバーグラウンドへと、
華麗な変身を遂げることになりそうです。
これが完成すれば、オーバーグラウンドは直通運転を始める予定です。
この路線は2012年のロンドンオリンピックに間に合わせる予定になっていて、
開通すればロンドンの鉄道ネットワークは大きく変貌することになりそうです。
既に地下鉄には環状線があるので、外環状線という性格のものになります。
【2012年10月追記】
イーストロンドン線は地下鉄としては廃止され、
英国鉄道のネットワークに組み込まれたうえで
オーバーグラウンドとして再開業しました。
また、既存の路線と一体化した運営に移行し、運行区間も延長されました。
なお、オーバーグラウンドはリッチモンド駅周辺では、
以前より地下鉄ディストリクト線と線路を共用しています。
【2012年12月追記】
2012年12月9日より、サリーキーズからクラッパムジャンクションまでの
区間が新たに開業することが発表されました。
その結果、オーバーグラウンドは環状線を形成することになります。
但し、運行系統は2系統に分かれているため、
完全な形での環状運転は行わないことになりました。
この路線の開通により、乗換駅であるクラッパムジャンクション駅は
ウォータールー駅を補完する、ロンドン南部の交通の要所として、
以前にも増して重要な拠点となりました。