イギリスはかつての植民地政策の関係もあって、
移民が多く存在することから、多くの人種が混ざって住んでいます。
従って宗教も多様です。
イギリスでは多くの宗教が共存しています。
Seaviewが住んでいたボーンマスでは、
英国国教会に所属する教会(チャーチ)の他に、
他のキリスト教系の教会やユダヤ教の教会(シナゴーグ)、
イスラム教の寺院(モスク・マスジッド)、
さらには仏教の教会(寺ではない)なども存在していました。
このことは、食生活にも大きな影響を与えます。
イギリスのスーパーでは、特に肉類において
ユダヤ教向けの食材であるコーシャのコーナーが
特別に設けられていることが多くなっています。
コーシャには細かい規定があり、認証機関も存在します。
一方、イスラム教も同様にハラルが存在します。
こちらも肉類を中心に細かい規定があり、やはり認証機関があります。
ハラルの場合は一般のスーパーでは扱わないので、
ハラルフード専門のお店が多く存在します。
また、一部のファストフード店では、
ハラルに対応しているところもあるほどです。
香港を中心とした広東方面から来た中国系も
イギリスではかなり強い力を持っています。
インドやパキスタン、バングラデシュからの移民も多く、
民族内でのつながりがかなり強くなっています。
両方とも独自のコミュニティを持っており、
まとまって住んでいる地域もいくつか見られます。
アフリカ系は黒人を中心に国の枠を超えてまとまっており、
ルーツが同じカリブ系とまとまることもあります。
もっとも他の民族よりは白人社会とうまく溶け込んでおり、
アメリカとは違う様相を見せています。
アジア系はやはり国別にまとまる傾向があります。
ただ、欧米系に近づきたい願望を持つ日本人は、
白人社会と比較的スムーズな交流ができているようです。
このように、イギリスは既に民族がモザイク状に存在するため、
統一した国民性というのが造りにくくなっているのが実情です。
異なる民族や宗教は、根本的な考え方から違いがあるため、
無理に統一させようとすると、社会にひずみを生じるのです。
ですから、イギリスでは多民族に対応する施策を行っており、
特定の民族が優位にならないような配慮がなされています。
日本と異なるルールがあるのは、こういった要因から来ているようです。