オリンピック発祥の地として知れれるオリンピュア。
この聖地には、かつて絢爛豪華なゼウス神像が存在していた。
天才彫刻家フェイディアスにより、紀元前430年代に制作が始められた神像は、
完成までに約10年を要したという。
玉座に腰掛けた形で安置されたゼウス像は、高さ約12m。
身体部は象牙製、着衣や装身具は黄金製で、黄金を張った木製の玉座表面には
宝石、象牙、黒檀などの象眼細工が施されていた。
最深部にゼウス像を収めた神殿も華麗そのものだった。
紀元前456年に完成したこの神殿は総大理石製で、窓は無く、長辺64m、
短辺27m、合計34本のドーリア式円柱が屋根を支えていた。
加えてフェイディアスは、神殿に仕掛けを施した。
ゼウス像前に池を掘り、オリーブ油を混ぜた水を張った。
唯一の採光源である入り口から差し込んだ光が、池の表面で反射して、
神像をより神々しく輝かせるというものだった。
しかし、のちにこのゼウス像は失われてしまう。
詳細は不明だが、4世紀頃にコンスタンティノープルに運ばれ、
火災で焼失したとも、または5世紀までオリンピアにあったが、
地震で損壊したともいわれている。
確かなのは、426年にローマ皇帝の命により、
神殿が破壊されたということだけである。
オリンピアのゼウス像
Google Earthの座標〈37°38'13"N,21°39'39"E〉