一昔前までは、ヨーロッパ旅行をする日本人に対して、
ヨーロッパの人は冷ややかに見ていました。
その最大の理由は「マナーが守られない」ということ。
静かに鑑賞すべき場所でも声を上げたり、
団体で行ったばかりにレストランの雰囲気を台無しにするなど、
各方面から批判が上がったものでした。
しかし、最近ではこのようなことはほとんどなくなりました。
それどころか、日本人の振る舞いを賞賛する人が多くなったのです。
それを象徴したのが、1998年にFIFAワールドカップが
フランスで開催された時のことでした。
この時は、フーリガン対策でフランス政府は頭を悩ませており、
実際イギリス人サポーターの乗った船が、フーリガンが暴れて火災を起こし、
イギリスに引き返すという事態まで発生していたからです。
このときの日本人サポーターは、他の国のサポーターと全く異質な人々とされ、
ヨーロッパのマスコミをにぎわせたのでした。
パリでブランド物の買い物を楽しみ、おいしい食事を食べるなど
一般的な日本人観光客の振る舞いをしていること自体が注目の的でしたが、
それだけではなかったのです。
実は日本人サポーターはスタジアムの応援のあと、
ゴミを自分で持ち帰っていたのです。
中には周辺の清掃までした人までいたそうです。
このことは、ヨーロッパ人に対し大きなカルチャーショックを与えました。
その一方、イギリス人はゴミを平気でちらかしていきます。
どうやらゴミは自分で片付けるという意識がなく、
掃除する人が片付けるもの、という考えが強いようです。
イギリスはエコロジーに関しての意識が非常に高いのですが、
その割にゴミをその辺に平気で置いていってしまうのです。
このことはエコロジー関連の国際会議などでも発生していて、
日本人参加者から「本末転倒なのでは?」という意見が多くきかれるのです。
我々日本人は、これからも実際の行動で模範を見せていくべきです。
既に日本の経営手法など、ヨーロッパで評価されていることは少なくありません。
ヨーロッパのルールに合わせることも大切ですが、
明らかにヨーロッパが遅れている部分に対しては、
これからもさりげなく手本を示していきましょう。