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LGとの関係はウォレスセンターでも継続

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2021年10月13日

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ところでGMとLGエナジー・ソリューションのバッテリーといえば、昨年から今年にかけて大量にリコールを出した『ボルト』が思い起こされます。2021年9月17日のロイターによれば、現在までに対象台数は14万台余りに達し、リコール関連コストは18億ドル(約2030億円)にのぼります。
最後のリコールは2021年8月20日で、2019年から2020年の間に米国とカナダで販売された約7万3000台の『ボルト』が追加でリコールになりました。GMはリコールを発表したリリースで、追加の関連コストが10億ドルに達すると予想しています。
同時にバッテリー製造に不備があった工場を特定。韓国の梧倉(オチャン)工場を含む複数の工場で製造されたバッテリーセルに原因があったと指摘しています。GMは、LGに補償を求める方針です。
『ボルト』のリコールの際、GMは現行ユーザーに対して、充電は90%で制限すること、可能なら頻繁にバッテリーを充電して、残量を走行可能距離70マイル(113km)未満にはしないようにすること、充電後はすぐに屋外に駐車すること、屋内で一晩中の充電はしないことなどを求めています。これでは使い勝手が悪いことこの上ないですね。
『ボルトEV』のリコールについてロイターは、GMがLGに補償を求める方針を明らかにしている一方で、実際の交渉は進んでいないと指摘。その上で、韓国人アナリストのコメントを引用してGMとLGは“仮面夫婦”の状態になっていると評し、「すぐに代わりの相手が見つからないので、離婚せずにいるだけの状態」だと指摘しています。
その後、9月20日にGMは、LGのバッテリー生産を再開したことを発表しています。再開したのは、オランダと、ミシガン州ヘーゼルパークのLGの工場です。これで『ボルトEV』の交換用モジュールの出荷が始まる見込みです。交換後のバッテリーには、8年間/10万マイル(16万km)の保証が付きます。
合わせてGMは、リリースから60日以内にバッテリーの診断用ソフトウエアをローンチすることを発表しました。
リリースでGMは、ダグ・パークス上級副社長の「今後もLGと積極的に協力して、追加のバッテリーを供給していきます」というコメントを掲載していますが、ロイターの報道を考えると楽観視はできないのかもしれません。
ただ、GMのEVに本格的にアウティアムのバッテリーが搭載されるようになると、GMがバッテリー開発も主導していくようになるのかもしれません。ウォレスセンターの新設はその第一歩とも考えられます。実際、大量リコールの後、GMはLGの品質管理に介入しています。
今後のGMとLGの関係性に変化があるのかどうか、とても気になります。
そういえばGMとLGの合弁会社、アルティアム・セルは、2020年10月から2021年4月まで、ほぼ毎月、多いときは2021年2月のように月に8本もリリースを出していたのですが、5月以降はリリースが途切れています。アルティアムはホンダでも使うことが決まっていますし、GMにとってもLGにとっても大きな商売です。まだ半年とは言え、間が空いているのはちょっと気になります。
そんなこんなで、いろいろ不安を感じたGMが新しい開発拠点を設けることで主導権を握りにきている、なんていうことを妄想したりしています。ウォレスセンターについては今後も、新しい話題を追いかけたいと思います。また、何か情報があればコメントでお寄せいただければ嬉しい限りです。
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