「アニメ映画のカンヌ」と呼ばれる、最も長い歴史を持つ世界最大規模のアニメーションのための映画祭、「アヌシー国際アニメーション映画祭」。2017年、長編部門のグランプリに輝いたのは、湯浅政明監督の傑作『夜明け告げるルーのうた』だった。さらに審査員賞には、日本でも人気を得た『この世界の片隅に』が受賞し、この年は日本の作品が高く評価された年となった。だが長編部門にはまだ「観客賞」が残されている。この権威ある賞を受賞したのが、誰もが知る画家フィンセント・ファン・ゴッホの人生と死の謎を描いた作品、『
ゴッホ 最期の手紙 DVD』である。一般的には銃による「自殺」とされているゴッホの死だが、そこには説明のつかない、不可解な事実が隠されている。ゴッホが遺した手紙をきっかけに、アルルからパリ、そして彼が最期の日々を過ごしたオーヴェールに行き着くアルマンとともに、観客はゴッホの描いた絵画の世界へと誘われ、入り込んだような感覚を覚えるだろう。映画はゴッホの人生を探す旅を、ゴッホ自身が描いたとしか思えない油絵で描写し、伝記的な回想部分もモノクロの油彩画で表現。
「ゴッホの描いた油絵が動く!」。
このはな綺譚 DVD 本作『ゴッホ〜最期の手紙〜』最大の驚きは、まさにゴッホの燃え上がるような筆致の、迫力ある絵画作品がアニメーションとして動き出すところだ。しかもこの映画で描かれるドラマの大部分が、この手法で描かれている。それにしても油絵のアニメーションなど、一体どうやって作るのだろうか。ここではそんな製作の秘密、そしてこの驚くべき手法をもって本作が描こうとするものが何なのかを考えていきたい。
イギリス映画界が誇る若手実力派、ダグラス・ブース(『ノア 約束の舟』)、シアーシャ・ローナン(『つぐない』『ブルックリン』)、ヘレン・マックロリー(『ハリー・ポッターと死の秘宝』)、クリス・オダウド(『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』)、
イケメン戦国 時をかけるが恋ははじまらない Blu-ray エイダン・ターナー(『ホビット』三部作)らの演技には、きっと感銘を受けずにはいられない。監督と脚本を手がけたのは、画家の顔と映画作家の顔を併せもつドロタ・コビエラと、『ピーターと狼』(08)でアカデミー賞短編アニメーション賞に輝いたヒュー・ウェルチマン。撮影監督は『ファンタスティックMr.FOX』のトリスタン・オリヴァーと、『イーダ』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたウカシュ・ジャル。また、音楽を『ブラック・スワン』など、ダーレン・アロノフスキー監督とのコンビで知られるクリント・マンセルが手がけている。主題歌を歌うのはUKソウル界の若き歌姫、リアン・ラ・ハヴァス。
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