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チャン・ナラ、時には平凡も非凡になる

◇評価 5ポイント
◇閲覧回数 6,207
◇登録日
2015年3月18日
kaori
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女優チャン・ナラがデビューした時、人々は彼女の親近感に魅力を感じた。丸い顔と目、人の良さそうな眼差しはいつでも壁を越えて近づけるような印象を与えた。大衆はそんな彼女に“天然ボケ”という修飾語をつけた。ちょっと“天然”な魅力で集めた人気は一種のシンドロームとなった。垢抜けない純粋な、そして平凡な印象を持つ芸能人が、シンドロームを起こすような人気を博すことは後にも先にもなかなかない。チャン・ナラは多くの女優の中で、自分の平凡さをいつでも非凡な魅力に変えることができる潜在能力があったのだ。
 最近、韓国で放送が終了したMBCドラマ「運命のように君を愛してる DVD」は、誰にも代わることができないチャン・ナラだけの魅力を再確認できる作品となった。チャン・ナラは劇中、気だてのよい平凡な女性キム・ミヨンを演じ、気難しいイ家の9代一人息子イ・ゴン(チャン・ヒョク)からたっぷり愛された。狂気じみた表情で豪快に笑うイ・ゴンに、温かい愛で包み込むキム・ミヨンは、視聴者から「かたつむりカップル」という愛称で親しまれた。多少現実離れした「かたつむりカップル」が愛されたのには、感情移入できる余地を作った演技の基本に忠実だったチャン・ナラの効力があったからだ。視聴者はキム・ミヨンにそっくりなチャン・ナラと「運・君・愛」の泣いたり笑ったりする瞬間を共にしたのだ。
私とは違う性格のキム・ミヨン、愛されたのはチャン・ヒョク先輩のおかげ
―平凡だがとても気だてのいいキム・ミヨンというキャラクターを作るのは大変だったのでは? 
文章で見るのと、声に出して演技するのでは全く違うと思います。“平凡”というのは単語として定義されていますが、演技で表現するのは簡単ではありませんでした。ミヨンというキャラクターが最近の世の中に合わないじゃないですか。もしかしたらミヨンがすごく嫌われるかもしれないという心配までしていました。放送が始まる前まで、平凡だということをどう表現するものなのか、すごく悩みました。そしてスタッフとご飯を食べている時に、“ミヨンはバカっぽい”というよりも“世の中が厳しくなった”のではないかという話をしたんです。それでミヨンが愛されるのを見せようということになりました。ずっと心配していましたが、幸いにもミヨンと感情を共にすることができました。
<b>―キム・ミヨンとチャン・ナラは似ているところが多かった気がしますが…
いいえ(笑)性格が全く違うので大変でした。私と違う部分を演じるのは本当に大変でしたが、現場ではみんなが私をミヨンとして接してくれたので、自然にミヨンになることができたように思います。監督が今後50年はこんな現場は作れないとおっしゃるほどとてもいい雰囲気でした。
―チャン・ヒョクとはドラマ「明朗少女成功期」以降2回目の共演となったが、再会してどうだったか? 
チャン・ヒョク先輩は本当によくしてくださって、たくさんのことを教えてくださいました。本当に感謝しています。チャン・ヒョク先輩がミヨンというキャラクターを作ってくださったのではないかと思っています。先輩とは今回“義兄弟”となったのですが、私にはないものをたくさんもっていらっしゃるので、お兄さんと思ってついていきながら多くのことを学びたいです。次回作ではアクションで共演してみたいですね(笑)
―チェ・ジニョクとも長い付き合いだそうだが、共演してみてどうだったか? 
チェ・ジニョクさんは、パク・キョンリムさんと幼い時から会ってきた友人のような弟で、昔は家に遊びに来て花札をして遊んだ仲です。撮影現場はあまり良くない環境のこともあるのですが、歯を食いしばって頑張っている姿を見ながら、普通の人ではないなと感じていました。共演して楽しかったです。
イメチェンについては気長に見守ってほしい
これまでの出演作のキャラクターとキム・ミヨンが似ているとも言われていたが、チャン・ナラの演技に対する大きなイメチェンはないのか? 
イメチェンをしなきゃとは思っていないが、毎回違うキャラクターを見せたいとは思っている。私は大衆が気にするようなスターじゃないじゃないですか(笑)。イメチェンの可能性が無限にある人が、無理にイメチェンをすれば長所さえ反感を買うかもしれません。私もそれなりに年を重ねてきたので、気長に見守ってくださったらうれしいです。20代前半ではいつも気持ちが焦っていたのですが、これから先はずっと演技をしていくつもりなので、気持ちに余裕が出てきました。
―女優としての目標は? 
未婚のうちに輝けるような役をやってみたいです。結婚するとまた違う感情になると思うので、その時はまたそれに合った役をできたらと思います。目標を具体的に持ってるわけじゃないのですが、限界を越える演技ができたらいいですね。「チェオクの剣」のハ・ジウォン先輩の役とか、「H.I.T―女性特別捜査官―」のコ・ヒョンジョン先輩の役のようなキャラクターをやってみたいとは思います。パワフルな役を演じてみたいですね。
―歌手としての活動を楽しみにしているファンも多いと思うが…
もちろん歌も歌いたいですが、何より健康気をつけなければならないと思います。そしてたくさんの準備が必要です。今は同じ目的を持つ人の中で私がしなければならないことが多く、それが精神的に一番楽な気がします。
―韓国国内での活動がいつも短く寂しいファンが多いと思うが、今後の予定は? 
中国での次回作はまだ決まっていません。活動をどこでするかよりも、私に何ができるかというほうが大事だと思います。中国での活動は確かにいい経験でした。言葉が通じなくて演技にだけ集中させてくれました。セリフを理解できなくても相手の俳優さんの眼差しや表情に集中すればどんな話をしているのかわかる気がしました。演技というのは相手の目を読みながらするものだと思うので、私には本当に役立ちました。
運命の相手がいたら…
―デビューしてから今まで多くの変化を経験したが、顔だけはずっと変わりませんね
いいえ。顔もずいぶん変わりました。女性の顔になるまで時間がかかりましたね。来年にはさらに女性らしくなれるのではないでしょうか。以前はいきいきとしていましたがぼんやりしている感じがしました。年を重ねて年相応の顔になってきた気がします。今回の作品で、女性らしいと多くの方が言ってくださったので感謝しています。だから自信もでてきました(笑)
―デビュー13年目を迎えた女優として、自分なりのマインドコントロールの秘訣はあるか? 
座右の銘が「最善を尽くそう」です。若い時は「このくらいならいい」と勝手に思っていたのですが、それはとても傲慢だったと思います。「このくらいなら」という基準は、自分が決めた基準なので。だからその基準を高くして最善を尽くそうと思ったんです。演技が少しずつうまくなったらうれしいです。以前は感謝することを知らなかったと思います。年を重ねて演技をする道がずっと続いていることに感謝するようになりました。
―お父さんは演技についてどう思っているのか? 
父はずっと変わりません。褒めてくれることもないんです。問題がある時はそっとメッセージを送ってくれます。失望させるような時はあえてメッセージもないんですが(笑)。幸いに両親は非常に冷静に、客観的に私を見てくれるので油断できないですね。普段は温かいのですが、仕事のことになると冷静になるので緊張感を持ち続けていられます。実は台本をもらったら、父と一緒にリーディングをしたりするんです。私のいいところも悪いところも誰より知っているから、いつも助けてもらっています。
―周囲から結婚の話をされることも多いのでは? 
そうですね。でも残念ですが計画はありません。他の人が恋愛をしているのを見るとうらやましくもなりますし、結婚もしてみたいとも思いますが、ある時は結婚したくないと思ったり、恋愛するのも面倒になったりと気持ちが日によって違います。本音を分かち合えるような男性がいいですね。そしたら幸せに暮らせると思うのですが、思い通りにはならないです(笑)。運命の出会いは信じないけど、運命の相手はいたらいいな。
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